メールマガジン JOLLYのお茶の間バレエ鑑賞記-シルヴィ・ギエム『三つの愛の物語(「三人姉妹」、「カルメン」、「マルグリッドとアルマン」 )』-

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2005年05月10日(Tue)

シルヴィ・ギエム『三つの愛の物語(「三人姉妹」、「カルメン」、「マルグリッドとアルマン」 )』

カテゴリー:ガラ・小作品集・ダンサー特集記事編集

シルヴィ・ギエム『三つの愛の物語(「三人姉妹」、「カルメン」、「マルグリッドとアルマン」 )』
公演日:5/10(火)18:30
会場:大阪フェスティバルホール

◆『三人姉妹』Winter Dreams
音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー 
振付:ケネス・マクミラン
出演:シルヴィ・ギエム(マーシャ)、イザベル・シアラヴォラ(イリーナ)、ドルー・ジャコヴィ(オリガ)、ニコラ・ル・リッシュ(ヴェルシーニン中佐)、アンソニー・ダウエル(クルイギン)、アンドレア・ヴォルピンテスタ(ソリョーヌイ船長)、ルーク・ヘイドン(トゥーゼン・バッハ)、ニコール・ランズリー(ナターシャ)他

◆『カルメン』
音楽:ジョルジュ・ビゼー/ロディオン・シチェドリン 
振付:アルベルト・アロンソ
出演:イザベル・シアラヴォラ(カルメン)、マッシモ・ムッル(ドン・ホセ)、アンダース・ノルドストローム(エスカミリオ)、アンドレア・ヴォルピンテスタ(ツニガ)、ドルー・ジャコヴィ(運命:牛)他

◆『マルグリットとアルマン(「椿姫」)』
音楽:フランツ・リスト 
振付:フレデリック・アシュトン
出演: シルヴィ・ギエム(マルグリット)、ニコラ・ル・リッシュ(アルマン)、アンソニー・ダウエル(アルマンの父)、ルーク・ヘイドン(公爵) 他
実は、私、シルヴィ・ギエムには全く思い入れがない人。100年に一度の逸材で当代きってのバレエダンサーとして名高い人ではあれど、数少ない映像で見た限りでは、踊りも含めて、彼女にあまり魅力を感じなくて・・・。でも生で舞台を見たら、やっぱり違うかしら?という淡い期待と、共演のニコラ・ル・リッシュに釣られて観にいってきました。結果は、ブラボー!ニコラ!ブラボー!ギエム!でした。技術がこれ見よがしでなく、さりげなく、それでいて感情表現と混ざり合う様子は、本当に素晴らしかった。チケット代をケチって2階席からの鑑賞だったにもかかわらず、2階の私までキッチリと「愛」が見えたし、しっかりと届きました。30台前半にして、エトワール暦も12年目に突入のニコラは、今のパリ・オペラ座で、キャリア的にも、年齢的にも、最も旬なエトワールだろう。ニコラの踊りも、私のストライクゾーンからは微妙にズレている(やや、ワイルドすぎて・・・・)と思っていたのだけど、いえいえ、なんのその。彼の演劇系バレエでの繊細な感情表現は、マクミランやアシュトンなどの演劇系バレエがかなーり苦手な私のアレルギーをすっかり克服させてくれました。アシュトンもマクミランも、技術力がしっかりとあるた人たちが踊ると、流れるような動きが芸術的で美しい、その動きの流れは、実際に生の舞台で見るほうが絶対感動は遥かに倍増するんだなーと身をもって感じました。おそらく、とてつもなく高度だと思われるようなリフトも、流れるようにさりげなく繰り広げられる上に、そこに登場人物の感情がしっかりと乗っかってくるのだからたまらない。サポートにせよ、ソロで踊る部分にせよ、ニコラが野性的だなんて、私の勘違いだったのか?と思わせるぐらい、爪の先までパリ・オペラ座のエスプリが漂うノーブルさがあって、さすが。パリ・オペラ座のエトワールは、そんじょそこらのバレエダンサーとは違うんだ!と思わせる踊りに、目が釘付けでした。とくに着地のときに足音が全くしないのです。あと、ニコラ、ちょっと痩せてすっきりしておりました。
では、ひとつづつ作品の感想を。

◆『三人姉妹』
前もって岩波文庫のチェーホフの戯曲『三人姉妹』を読んで、だいたいのストーリーを予習してから鑑賞したので、隅々まで楽しめました。ギエム、ニコラの素晴らしさは、先に述べたとおりですが、パリ・オペラ座のプルミエール・ダンスールのイザベル・シアラヴォラも美しくてステキでした。平手打ちするシーンでは、本当に会場中に響くような音で平手を食らわせていたけれど、叩かれた方は痛かっただろうなぁ・・・。あと忘れちゃならないのは、サー・アンソニー・ダウエル!ダウエルの「愛」も2階席までバッチリ届きました。舞台の袖でも、さりげなく手や体で演技しておられるんですよね。そのさりげない仕草からもクルイギンのマーシャへ対する健気な思いが伝わりました。
ロイヤルの「ラ・バヤデール」「眠りの森の美女」で彼の目力にヤラレテ早半年。そのサー・アンソニー・ダウエルもまだまだ舞台人としてご健在。踊りを生で観れたのがとっても嬉しい。

◆『カルメン』
アルベルト・アロンソの「カルメン」はマイヤ・プリセツカヤの映像を見たことがある。シンプルだし、ドン・ホセが、ドン・ホセらしくて(?)結構好きな演目である。こちらもパリ・オペラ座のプルミエール・ダンスールのイザベル・シアラヴォラ。『三人姉妹』のときとはイメージがガラっと変り、男を手玉に取るカルメンにハマっておりました。ミニの衣装なので足の動きがよく見えるのですが、足がとてもきれいでした。
 ドン・ホセはマッシモ・ムッル。実は、この人も、有名な割に、全く私の琴線に触れないダンサーだったりする。実際生で観ても、踊る姿が美しいとは思うのだが、やっぱりあんまり印象に残らなかった。カルメンを愛し、嫉妬で苦しむ様子は伝われど、『三人姉妹』のサー・アンソニー・ダウエルの健気さほど心を打つでもなく、『三人姉妹』のニコラが踊ったヴェルシーニンほども愛が伝わってくるではなかった。個人的な好みの問題で、単に彼の踊りが私のツボにハマらなかっただけのことかもしれません。ルックスは、顔がヤツレタ?って印象を受けたのですが、とてもスリムでした。エスカミリオは、当初はジョナサン・コープだったらしいんだよね・・・。降板してしまって違う人だったようですが、ジョナサン・コープで見たかったなー。

◆『マルグリットとアルマン(「椿姫」)』
この作品は、映画「ヌレエフ I AM A DANCER」でヌレエフとフォンティーンの素晴らしい映像も見たことがあるし、いまいちアングルが気に入らなかったギエムとニコラ版のDVDも観たことがありますが、やはり生の舞台の素晴らしさを実感させられました。かなーり感動いたしました。ヌレエフとフォンティーン並の感情豊かな舞台。まずマルグリッドとアルマンの出会いのシーンで、青いタキシード姿のアルマンが客席へ背中を向けて登場する場面。ニコラの背中から既に「愛」が見えるのだもの。背中で「愛」を語るとは、ニコラ・ル・リッシュ、恐るべし。そしてもうひとつの「愛」、アルマン・パパ(アンソニー・ダウエル)の息子を見守る愛も、これまた暖かいオーラが伝わってくるのです。ニコラにせよ、ギエムにせよ、ダウエルにせよ、顔の表情までは2階席では見えないのですが、体で醸し出すオーラでしっかりと伝わってきました。そしてダウエルさん、とてもダンディでステキでした。若々しい。まだまだ現役舞台人として活躍している姿が嬉しいです。ギエムとニコラのパ・ド・ドゥは、本当にうっとりするほど美しかった。二人の感情がとても踊りに溢れている。アルマンがマルグリッドを侮辱する場面では、ニコラの体中から、怒りと戸惑いとが見て取れたし、ギエムの体中から、苦悩と愛が見て取れた。これが世界一流の踊りなのねー。はぁ、うっとり。演劇系バレエも悪くないなと思わせてもらった舞台でした。そしてアシュトンの振付の素晴らしさにも気がついた舞台でした。

B0000CGAE6マルグリットとアルマン (椿姫)
シルヴィ・ギエム、ニコラ・ル・リッシュ
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6303434029Winter Dreams
ロイヤル・バレエ「三人姉妹」輸入版ビデオ
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B00000F6GKSylvie Guillem at Work / Documentary
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1840025441Invitation: Sylvie Guillem
Gilles Tapie
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スレッドテーマ:バレエ ジャンル:学問・文化・芸術
 
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