メールマガジン JOLLYのお茶の間バレエ鑑賞記-ハンブルク・バレエ『幻想~”白鳥の湖”のように』-

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2006年02月21日(Tue)

ハンブルク・バレエ『幻想~”白鳥の湖”のように』

カテゴリー:ドイツのバレエ記事編集

ハンブルク・バレエ『幻想~”白鳥の湖”のように』
   Illusions like "SWAN LAKE"    (英語タイトル)
   Illusions comme le lac des cygnes (フランス語タイトル)
   Illusionen - Wie Schwanensee   (ドイツ語タイトル)
【演出・振付】ジョン・ノイマイヤー(John Neumeier)
「第2の追憶」原振付:レフ・イワノフ
「第3の追憶」グラン・パ・ド・ドゥ 原振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【美術】ユルゲン・ローズ
【出演】 王 :イリ・ブベニチェク
ナタリア妃:エリザベス・ロスカヴィオ
オデット姫:アンナ・ポリカルポヴァ
『影』 :カールステン・ユング
アレキサンダー伯爵:アレクサンドル・リアブコ
クレア妃 :シルヴィア・アッツォーニ
王の母 :アンナ・グラブカ
レオポルト王子:ロイド・リギンズ
ジークフリート王子:ヤチェック・ブレス
ハンブルグ国立バレエ
【指揮】ヴェロ・パーン
【演奏】ハンブルグ交響楽団
【収録】2001年5月 ハンブルク国立歌劇場  約2時間30分

swan.jpg欧州版DVD(リージョン2、PAL方式)は、amazon.fr(フランス)でEUR 19,80にて、amazon.de(ドイツ)にてEUR 29,99にて取り扱いあり。送料に関しては、フランスとドイツでは、どちらがお得なのか確認していませんので、それぞれご自身でご確認の上比較検討してみてください。

なお聞いた情報ですと、海外のアマゾンの場合、アメリカと日本はそれぞれ独立しているようですが、ヨーロッパは全部一緒みたいで、UKでも、カナダでも、フランスでも同じパスワードとIDで注文できるようです。カード情報も同じように伝わっているらしいので、フランス語やドイツ語がわからなくても、フォームは殆ど一緒なので、UKかカナダでいちどIDを作っておけば大丈夫とのことです。

以前、NHKのハイビジョンで放映されていた「ノイマイヤーの世界」というドキュメンタリーの中で、この作品が丁寧に紹介されており、それ以後、非常に興味のあった作品だったのですが、念願叶って、2003年4月にNHKのBS2クラッシックロイヤルシートでテレビ放映されていた録画映像を見る機会に恵まれました。
 さて、このノイマイヤーの『幻想~”白鳥の湖”のように』は、チャイコフスキーのオリジナルの『白鳥の湖』をもとに、芸術愛好家として有名なバイエルン王ルードヴィッヒ2世(白鳥王)の人物像を描いています。ロットバルトを王自身の狂気(=影)として描き、自我と戦う王の悲劇に変えて、オリジナルの「白鳥の湖」の物語や踊りを劇中劇として挿入し、本編であるルードヴィッヒ二世の物語に絡めています。この作品構成と展開、そして振付は、非常に上手く出来ていて、やはりノイマイヤーは、天才だなとしみじみと思いました。
 NHKの映像は、いつも幕と幕の間に丁寧な解説とあらすじが字幕で出てくるので、非常にありがたいですが、この映像も丁寧にあらすじが字幕で紹介されていて、非常に理解しやすかったです。一応参考までに、下記に書き出しておきますと


◆現実
仮面舞踏会の最中に正気を失った王は、未完成の城の一室に投獄される。そこで彼は謎めいた『影』の存在を感じとる。王は投獄された部屋で、彼の未完成の城の模型をみつけ、その城に対する興奮と情熱を思い出す。

◆第一の追憶~城の建築を祝って
王のもとに働く人々は、仕事の手を休めて新しい城の建築を祝っている。王は、友人のアレキサンダー伯爵と祝宴楽しんでいる。そこへ突然、王の母親がレオポルド王子と廷臣を連れて到着。アレキサンダー伯爵の婚約者であるクレア妃も登場する。そこで、王の婚約者ナタリア妃が紹介される。祝いが終わり、皆が帰ったあとも王は一人で未完成の城でたたずんでいたところ、ナタリア妃はそんな王を見つけて近寄るが、王は彼女を拒む。そこへ再び、あの『影』が現れる。

◆現実
「白鳥の湖」の舞台模型を目の前に、王は、彼の城で開かれたバレエのプライベート上演を思い出す。

◆第二の追憶~白鳥の湖 プライベート上演
王のために白鳥たちは踊る。バレエは、悪魔ロットバルトの魔法で白鳥に変えられてしまったオデット姫と彼女に恋するジークフリート王子の物語である。舞台の幻想は、王子にとって現実となり、彼はオデット姫に恋をして、ジークフリート王子になりきる。劇場にこっそりと入ってきたナタリア妃は、王の抱く幻想のオデット姫に対する激しい気持ちを理解する。悲劇のバレエが終わり、ロットバルトは、自分自身が『影』であることを明かす。

◆第三の追憶~仮面舞踏会

◆現実
ナタリア妃は、王に会うことを許されるが、王は彼女を拒む。
白鳥の乙女たちの中で、王は『影』と一体になる。


解説がなくとも観ているだけでわかるような、理解しやすい構成になっていますが、現実と幻想が交錯するので、解説やあらすじを先に把握しておくと理解も深めやすいですしね。
 それにしても、やはりジョン・ノイマイヤーの振付は雄弁。踊るダンサーの力量ももちろん大きく関係しているのでしょうが、ルードヴィッヒ2世の狂気にいたるまでの苦悩が非常によくわかります。王室内の陰謀の気配や、王自身の狂気と王の関係の描き方、とくにエンディングなどは、ちょっとマシュー・ボーンの白鳥の湖を思い出させるテイストでもありました。ダンサーでは、ルードヴィッヒ2世をを演じたイリ・ブベニチェクの存在感が、やはり素晴らしかったです。踊りも、王らしい威厳もあり、それでいて繊細で危い空気もあって役柄に非常にハマっていました。苦悩する王と、その王を思い悩む婚約者のナタリア妃という陰鬱なカップルと、幸せラブラブオーラ満点の王の友人アレキサンダー伯爵とその恋人(妻?)のクレア妃。この対照的なカップルを、踊りで対比させるあたりの展開もいいですね。悩みのない幸せなラブラブオーラで踊る二人、アレクサンドル・リアブコとシルヴィア・アッツォーニは、本当に育ちのよさを滲み出すような無垢さを感じさせ、可愛らしく微笑ましかったですし、それと対照的に王の一挙一動に一喜一憂してしまうナタリア妃の憂鬱も非常に説得力のある振付で心に響きました。
 あと、非常に印象的だったのは、オデット姫のアンナ・ポリカルポヴァの腕の動きの美しさ!踊っているときは、もちろんですが、何より感動したのがマイム。あんなに優雅に美しいマイムを観たのは初めてだと思うほどに腕で語るマイムに惚れ惚れとさせられました。白鳥の群舞の部分は、個人的には、あと一歩という気持ちもなきにしもあらずなのですが、そこは、古典ではないからという割り切りで許容できる範囲ではありました。あと、ノイマイヤー作品のパ・ド・ドゥや、パ・ド・トロワって、素人目にみても難しそうなのだけれど、ダンサーたちは、皆、非常に美しく流れるように踊りこなしていたのが印象的でした。持ち上げる男性は、ふわりと軽くもちあげて、持ち上げられている女性は、その体勢が、あたかも自然であるかのように美しく余裕の雰囲気のまま空中でとどまっている。このあたりのダンサーの力量には、本当に惚れ惚れさせていただきました。ただ、カールステン・ユングの『影』は、ちょっと存在感が弱かった気もします。もっともっと冷ややかな空気が欲しい気もしましたが、王子の分身であれば、やはり人間的な暖かさが残っていて当然なのかもしれません。いずれにせよ、全体としては、非常に良く出来た作品で、私はたいへん気に入りました。

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スレッドテーマ:バレエ ジャンル:学問・文化・芸術
 
│posted at 23:45:17│
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