メールマガジン JOLLYのお茶の間バレエ鑑賞記-ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ『緑のテーブル』-

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2006年02月18日(Sat)

ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ『緑のテーブル』

カテゴリー:コンテンポラリー・ダンス記事編集

ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ『緑のテーブル』
Joffrey Ballet of Chicago:The Green Table
【出演】
デイヴィス・ロバートソン(死神)、グレゴリー・ラッセル(戦争利得者)、パトリック・シモネッロ(旗手)、マイア・ウィルキンス(若い娘)、マイケル・レヴァイン(若い兵士)、トリニティ・ハミルトン(女)、アダム・スクルーテ(老兵士)、デボラ・ドーン(老婆)、サム・フランケ、ピエール・ロッケット、カルヴァン・キットン、ディーン・ブラウン(兵士)、タリン・カショック、スザンヌ・ロペス、ニコル・マリー・ダフィ、レティシア・オリベイラ(女たち)、グレゴリー・ラッセル、マイケル・レヴァイン、パトリック・シモネッロ、トリニティ・ハミルトン、アダム・スクルーテ、デボラ・ドーン、サム・フランケ、ピエール・ロッケット、カルヴァン・キットン、ディーン・ブラウン(黒い礼服の紳士たち)
【原作&振付】 クルト・ヨース
【演出】 アンナ・マルカード
【美術&衣裳】 ハイン・ヘックロス
【仮面&照明】 ヘルマン・マルカード
【音楽】 フレデリック・A・コーエン
【ピアノ演奏】 メイ・ゾフジェ&フィオナ・ボズノス
【制作】 2000年  約38分

CS(クラシカ・ジャパン)で放映されていたものを録画鑑賞しました。
この作品は、ドイツの振付家クルト・ヨースが1932年に初演した反戦バレエで、演出はヨースの娘アンナ・マルカード。美術&衣裳はハイン・ヘックロスによる初演版。仮面と照明はマルカードの夫で画家&デザイナーのヘルマン・マルカード。音楽はフレデリック・A・コーエン。作品解説によると、「黒い礼服の紳士たち」「別れ」「戦闘」「追われた者たち」「パルチザン」「酒場」「最後に残った者たち」「再び黒い礼服の紳士たち」の全8場で構成され、死にゆく兵士と残された女たち、莫大な利益をあげる戦争利得者、そして彼らを受け入れる死神の姿を通して、戦争の悲惨さと不条理を描いた作品だそうです。
まず、幕が開くと、黒い礼服の初老の紳士たちが、緑のテーブルを囲んで討論(会議)をしています。これは、カツラをかぶったダンサーたちによってダンスというよりもマイムというような雰囲気で展開され、ちょっとコミカル。そんな彼らが一列に並び、空に向かって銃を発砲するのですが、その発砲音で場面が変わり、ヘラクレスのようないでたちの男性がちょっと不気味な歌舞伎調メイクで、ダークな照明の中から登場し、力強いピアノの旋律に合わせ、勇ましい踊りを始めます。このヘラクレスのような男性は“死神”のようで、この後も、死を象徴するように要所要所で常に舞台に現れます。
 今度は、大きな白旗を持った男性が登場し、それに続くように兵士たちが舞台上に現れて踊り始めます。そこへ、白いドレスの女性、老女が現れ、兵士を戦場に送り出すのを哀しむような、別離の時間をいとおしむような場面が踊りとマイムで展開されます。このあたりの表現力は、振付の効果もあって非常にリアルに感じました。
 その後、兵士たちは、争い始め、純白だった旗は、次第に黒い染みや赤い染みが滲み、その染みはどんどん大きくなって不気味さを強調していきます。このあたりは、すべて踊りで表現されており、非常に説得力を感じさせる振付でした。そして兵士が一人倒れ、二人倒れ、次第に皆倒れていきます。そんな彼らの横には、死神の姿も。
 そこへ、シルクハット姿のピエロのようなメイクの男性が妙に楽しげにパントマイムを繰り広げはじめます。これは戦争で利益を受ける人を象徴しているようで、ニヤリと笑って倒れる兵士の身に着けている金品を奪うようなマイムもしておりました。
 そして、残された女性たちの行き場のない気持ちや悲しみが群舞で表現されていきます。このあたりは、非常にダンサーの表現力を感じさせられました。そして、どんな場面にも必ず死神が登場します。老婆を抱きかかえ、あの世へと連れ去ってしまうのも、若い娘と踊るのも、その娘が倒れた姿を上から覗き込むのも死神でしたし、兵士の真後ろに影のように潜み、兵士の動きにあわせて踊るのも死神です。そして、死神を中心として、死者たちのロンドが始まります。この死神の使い方は、戦争と死の関係を非常にわかりやすく表現しているように思いました。全体的に非常にメッセージ性の強い作品ですが、嫌味ではなく、とても芸術作品としての完成度は高いように感じました。音楽は、ピアノだけで演奏されるのですが、これも、非常に素敵でした。
 この作品は、日本ではスター・ダンサーズ・バレエ団がレパートリーにしているようで、去年観たテレビ番組でスター・ダンサーズ・バレエ団のこの作品の公演の宣伝をしておられたバレリーナの小山久美さんが「たくさんの人に見てもらって戦争や平和について考えてもらいたい」みたいなことをおっしゃっていたのですが、本当にそんな気分にさせられる作品でした。
 ちなみにジョフリー・バレエ・オブ・シカゴは、シカゴを本拠地とするバレエ団で、ハリウッド女優のシャーリーズ・セロンや俳優パトリック・スウェイジを輩出したことでも有名。映画『バレエ・カンパニー』も、このバレエ団が全面協力していましたね。あの映画でのバレエは微妙でしたけど。(苦笑)

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スレッドテーマ:バレエ ジャンル:学問・文化・芸術
 
│posted at 16:38:52│
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