メールマガジン JOLLYのお茶の間バレエ鑑賞記-パリ・オペラ座『白鳥の湖』(マリ=アニエス・ジロ&ジョゼ・マルティネズ)-

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2006年04月22日(Sat)

パリ・オペラ座『白鳥の湖』(マリ=アニエス・ジロ&ジョゼ・マルティネズ)

カテゴリー:パリ・オペラ座バレエ記事編集

パリ・オペラ座バレエ団 2005年日本公演『白鳥の湖』全4幕
【観賞日時】2006年4月22日(土)6:30p.m. 東京文化会館にて
【振付・演出】ルドルフ・ヌレエフ
【音楽】ピョートル・I・チャイコフスキー
【装置】エッツィオ・フリジェリオ
【衣装】フランカ・スクァルチャピーノ
【照明】ヴィニシオ・シェリ
【出演】 オデット/オディール:マリ=アニエス・ジロー
     ジークフリート王子:ジョゼ・マルティネス
     家庭教師ヴォルフガング/ロットバルト:カール・パケット
     -第1幕-
     女王:ナタリー・オーバン
     パ・ド・トロワ:
     エミリー・コゼット、ドロテ・ジルベール、エマニュエル・ティボー
     -第2幕-
     4羽の大きい白鳥:
     エミリー・コゼット、オーレリア・ベレ、ローラ・エケ、ローレンス・ラフォン
     4羽の小さい白鳥:ファニー・フィアット、
     マチルド・フルステー、ジェラルディーヌ・ウィアール、ミュリエル・ズスペルギー
     -第3幕-
     チャルダッシュ:
     ノルウェン・ダニエル、ブリュノ・ブシェ
     スペインの踊り:
     ミュリエル・アレ、ローレンス・ラフォン、ローラン・ノヴィ、クリストフ・デュケンヌ     
     ナポリの踊り:メラニー・ユレル、シモン・ヴァラストロ
【演奏】東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
【指揮】ヴェロ・ペーン

2006年4月22日(土)夜の部を 東京文化会館にて鑑賞。ヌレエフ版の「白鳥の湖」を見るのは初めてだったのですが、非常に気に入ってしまいました。ちなみにヌレエフ版は、ハッピーエンドではなく、悲劇で終わります。
まず気に入ったのは構成でしょうか。あちこちで言われていますが、このヌレエフ版は、ロットバルトの存在が非常に大きい。踊りの見せ場もしっかりあるのです。ロットバルトだけでなく、それ以外でも、やはり男性の見せ場が豊富。女性の白鳥群舞に負けないぐらい男性群舞もヌレエフの過酷な振り付けでガンガン踊ってくれるので、ヌレエフの足技満載な振りが好きな私としては、とにかく、とても楽しめました。
舞台セットは、てっきり豪華絢爛なのかと思っていたら、想像していたイメージと異なり、案外シンプル。そして衣装が非常に素敵でした。全体的にスモーキーパステルというのでしょうか、優しい色合いで統一してあって、色のあわせ方や、刺繍などの使い方といい、やはり、ああ、やっぱりオペラ座ってセンスがいいなと思わせる衣装の数々で、見ているだけで、すっかり魅了されました。群舞のフォーメーションなんかも、非常に効果的で美しいですね。1回目は、上の階から見たので、非常に群舞のフォーメーションの美しさに感動させてもらいました。ただ、バスティーユの舞台に比べると手狭なのでしょうか、群舞になると、ダンサーどうしが密集している感じはあって、踊りづらそうでした。あと、あの東京文化会館の床のキュッキュッという音は、なんとかならなかったのかなと残念には思いましたね。
 さて、キャストですが、もともとベラルビのロットバルト目当てで買ったチケットだったので、主役の二人には、実は、あまり期待していなかったんですが、いい意味で裏切られたというのでしょうか、このコンビでこんなに感動するとは自分でも意外だったほどに、4幕では、感極まって大泣き。(笑)というのも、この二人のコンビの「白鳥の湖」は、非常に「大人の愛」を感じさせてくれるもので、その気持ちみたいなものが、ダイレクトに心に響いてきたのです。
 まず、王子のジョゼ・マルティネス。映像で見たときから優しい踊りをする彼の踊りを気に入ってはいたけれど、彼が踊り始めた瞬間、完全にノックアウト。もう、本当に優しい踊りで、「優美」という言葉がピッタリ!そして、やはり徹底してノーブルで動きが美しいの。これぞ王子と言わんばかりのエレガントさと独特の優しさが、立ち振る舞いからもにじみ出ていて、ああ、この人の踊り、大好きだ!と直感でビビビっと感じてしまいました。ヘアースタイルは相変わらず膨らんで大きかったけれど(笑)、身体は、細いけれど、白いタイツの足が非常に綺麗で素敵でしたし、あんなに華奢で細いのに、大柄なジロを頭の高さまで高々とリフトする姿には、頼もしさすら感じました。ただ、さすがに、リフトのときは全身の力を搾り出している感じは、ちょっと見えちゃいましたが、それはさすがに同情の余地ありなので許容範囲です。彼のジークフリートは、非常に落ち着いた大人っぽい人物像。皇室の跡継ぎとして、出来る限り自分を殺し、清廉潔白で従順に生きてきた優等生風。家庭教師のウォルフガングにも、操られているというよりは、参謀として絶対的信頼を寄せているといった感じで、お互いが対等な関係に見えました。
 ウォルフガング&ロットバルトのカール・パケットも、これまた予想を裏切るほどの素晴らしさで、ベラルビを見れなかった悲しい気分を完全に吹き飛ばしてくれるほどカッコよかったです。まず、あの美しいルックスが、ロットバルトの衣装に似合うんですね。そしてマントさばきが最高にカッコイイ!そして、あの眼光から放たれる邪悪オーラが私のツボにドカーンとハマりました。もともとカール・パケットの踊りは、ジョゼ・マルティネズとは系統が違うので、今回のロットバルトのさらにシャープな踊りを踊ることにより、優しいマルティネズの動きとさらにメリハリが出て、双方がお互いを引き立てる効果が出て非常に良かったです。とくに、このメリハリ効果は、二人が踊るパ・ド・ドゥで絶大なる効果を引き出していたように思います。ソロのパートでも、こんなに軽く飛ぶ人だったっけ??と目から鱗なほど、軽快なジャンプを披露してくれて、もうブラボーの喝采を受けておりました。ただ、一箇所だけ気になったのは、ジロへのサポートのときの手の位置。なぜか、いつも高いの。だから腰でなくて、ジロの胸に手がかぶさっていて、ジロの胸ばかり触るエロットバルト(=エロ+ロットバルト)状態。(笑)あのエロットバルトが妙に気になりました。職権乱用?
 そして、ジロの白鳥ですが、これがとても意外なことに、非常に女らしい、たおやかな白鳥で、非常に情感豊で、感情表現が繊細。登場した瞬間&ニ幕は、やや動きが堅い気もしたし、何より肝心の腕の動きが、私の好むものではなかったのですが、3幕、4幕はそのあたりも、あまり気にならなくなりました。動きの面では好みでないにもかかわらず、彼女の白鳥と黒鳥のアプローチには、驚かされたというか、物語に非常に説得力を与えるもので、グイグイと引き込まれ、4幕では号泣という有様でしたので、やはり彼女の存在感は素晴らしいと思いました。というのも、何より意外だったのはジロの黒鳥オディール。一人二役でオデットとオディールを踊る場合、この二つをいかにメリハリをつけて踊り分けるかに注目しがちですが、ジロの場合、殆ど踊り分けていないのでは?と思うぐらいに、オデットにそっくりの優しい雰囲気のオディールなのです。王子が間違えても無理ないなと思うぐらいにオデットの雰囲気のままで、邪悪オーラをチラつかせたりしないので、普通なら外見と色香に惑わされた大馬鹿野郎とも思えるジークフリート王子が、外見ではなく内面で選んだ相手という説得力が加わり、それだけに、その後の悲劇の痛々しさが増すように感じました。今まで、自分自身も鑑賞する際には、黒鳥がいかに邪悪オーラでゾクゾクさせてくれるかにこだわっていたのですが、王子を騙すのであれば、外見だけでなく動きまでもオデットになりきって騙すという、こういうアプローチもあるんだなーと目から鱗でした。騙し終えたあとに、ニンマリと微笑むあの一瞬の悪の微笑みで、「騙すなら徹底的に!」というジロの黒鳥の声が聞こえた気がしました。そんな徹底した騙し方をされたジョゼのジークフリートは、騙されたと解ると茫然自失。悲しみより先に、状況を理解できず「なぜ?」とオディール&ロットバルトに問いかけるような目が印象的でした。あまりのショックで、近くにいる誰かに支えてもらいたくて、偶然一番近くにいたのが母親だったという感じでマザコン度は、かなり低め。悲しみ方も非常に大人なジークフリートでした。そんなジークフリートが4幕で白鳥の群れから一羽一羽確認しながらオデットを探し出そうとする真摯な姿に、どんどん感情移入させられてしまいました。そんな中、白鳥の群れの中で、傷ついて倒れている白鳥ジロの姿も心を打ちます。ジロの白鳥は、本当に何を悲しんでいるのかが明確。ジークフリートに裏切られたことを悲しんでいるのではなく、自分が人間の姿に戻れないことを嘆いているのでもなく、ただ、ジークフリートと結ばれないことを悲しんでいるのだということが、非常によく伝わってきます。それだけに、もうこのあたりから、涙腺決壊状態。もちろん、チャイコフスキーの音楽や、ヌレエフ版の構成による効果も大有りなのですが、それでもダンサーたちの表現力に負う部分を実感させられた舞台でした。とくにジロ。技術面では、連続フェッテはドゥーブル入りで迫力満点でありながらフィニッシュが決まらなかったり、腕の動きが、まだまだ鳥っぽくないとか、やや惜しい舞台ではあったものの、表現面では申し分なかったです。
他にもチボーの跳躍が素晴らしかったとか、ドロテがチャーミングだったとか、いろいろあるけれど、語りだすと止まらなくなりそうなので、とりあえず、主役3人だけの感想のみとしておきます。コール・ドは、それなりに満足です。まだまだ上を目指せるとは思うけれど(とくに1幕)、白鳥群舞に関しては、かなりの特訓を受けている感じがしました。とにかく、東京まで観にいった甲斐のあった舞台でした。
余談ですが、会場の外で、偶然エルヴェ・モローに遭遇しました。とってもオトコマエで、ものすごい頭が小さいのね!かなりシャイな雰囲気でした。会場内では、ローラン・イレール発見♪相変わらず、お美しかったです。あとアニエス・ルティステュも客席にいましたよ。

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私の一番お気に入りの「白鳥の湖」のCDはコレ!(CDレビューはこちらを御参照ください。)

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Guy Fouquet Pyotr Il'yich Tchaikovsky Charles Dutoit


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スレッドテーマ:バレエ ジャンル:学問・文化・芸術
 
│posted at 23:35:55│
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