ドキュメンタリー『カレン・ケインの世界〜ダンシング・イン・ザ・モーメント〜』
Karen Kain Dancing In the Moment
【制作・脚本】ヴェロニカ・テナント
【監督・演出】ジョーン・トソーニ
【出演】カレン・ケイン、レックス・ハリントン、ロッド・ビーティー、マーサ・ヘンリー、ベン・ヘップナー、ローラン・イレール、ホルヘ・トーレス、ロバート・グランベック、ヨハン・パーソン、ヴィヴェーサ、リサンドロ・アドローヴァー、ジェームズ・パーカー、ヴェロニカ・テナント、ルイス・ブラヴォ、ドミニク・デュメ、ジェームス・クデルカ、ルドルフ・ヌレエフ、フランク・オーギュスティン、セリア・フランカ、ヴィクトリア・バートラム、マーティン・レイミー
【指揮】オームズビー・ウィルキンズ
【演奏】カナダ国立バレエ管弦楽団、ウィニペグ交響楽団
【製作】1997年 英語 58分
【字幕】関口暁子
【収録作品】
◆「フォーエバー・タンゴ」より
芸術監督:ルイス・ブラヴォ
音楽:エドゥアルド・ロヴィーラ 演奏:リサンドロ・アドローヴァー、ヴィヴェーサ
出演:カレン・ケイン、ホルヘ・トーレス
◆「ユン・プロフォンド・レジェレーテ(ユヌ・プロフォンド・レジェルテ:Une Profonde Legerete)」
振付:ドミニク・デュメ
音楽:J.ガルバレック 演奏:ザ・ヒリアード・アンサンブル
出演:カレン・ケイン、ヨハン・パーソン、ロバート・グランベック
◆「マノン」
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ
出演:カレン・ケイン、ローラン・イレール
指揮:オームズビー・ウィルキンズ 演奏:カナダ国立バレエ管弦楽団
◆「アクトレス」
振付:ジェームス・クデルカ 音楽:フレデリック・ショパン
出演:カレン・ケイン、レックス・ハリントン
指揮:オームズビー・ウィルキンズ 演奏:ウィニペグ交響楽団
収録:1997年10月4 日、ウィニペグにて
◆「白鳥の湖」第2幕グラン・アダージオ
音楽:チャイコフスキー
出演:カレン・ケイン、ルドルフ・ヌレエフ
収録:1972年(カレン・ケイン22歳の時の映像)
◆最後の「白鳥の湖」
音楽:チャイコフスキー
出演:カレン・ケイン、レックス・ハリントン
◆「眠れる森の美女」より青い鳥のパ・ド・ドゥ
音楽:チャイコフスキー
出演:カレン・ケイン、フランク・オーギュスティン
収録:1973年、モスクワ
◆「リラの園」
出演:セリア・フランカ
◆「ファサード」リハーサル
出演:セリア・フランカ(指導)、カレン・ケイン、レックス・ハリントン
収録:1997年10月
◆「ファサード」から「タンゴ・パソドブレ」
音楽:ウィリアム・ウォルトン 詩:ダム・エディス・シットウェル
振付:フレデリック・アシュトン
出演: ロッド・ビーティー、マーサ・ヘンリー、カレン・ケイン、レックス・ハリントン
◆「アクトレス」最終公演
振付:ジェームス・クデルカ 音楽:フレデリック・ショパン
出演:カレン・ケイン、レックス・ハリントン
◆「中国の不思議な役人」
音楽:バルトーク 振付:ジェームス・クデルカ
出演:カレン・ケイン、レックス・ハリントン
◆「愛の小道」
振付:ジェームス・クデルカ 作詞:ジャン・アヌイ
音楽:プーランク 歌:ベン・ヘップナー
ピアノ:ジェームス・パーカー 出演:カレン・ケイン
◆「アクトレス」フィナーレ
振付:ジェームス・クデルカ 音楽:フレデリック・ショパン
出演:カレン・ケイン、レックス・ハリントン
収録:1997年10月4日
2004年2月にNHK衛星第2クラシック・ロイヤルシートで放映された映像を鑑賞しました。カナダ人バレリーナのカレン・ケインのドキュメンタリーで、1999年国際エミー賞受賞作品(舞台芸術部門) だそうです。
この映像における私の目当ては、言うまでもなく、パリ・オペラ座からゲスト出演しているローラン・イレール!ヌレエフの進言によりゲスト出演することになったそうですが、ヌレエフに感謝したくなってしまいました。いやはや、冒頭のキャスト紹介の映像からもう眩暈を起こしそうなほどにイレールは美しくてカッコよかったです。しかもこの映像では、イレールは、フランス語ではなく英語でインタビューに答えてるんですよね。フランス語を話すイレールもカッコイイですが、英語もなかなか素敵でした。
カレン・ケインとローラン・イレールが踊る「マノン」は、書斎(寝室?)のパ・ド・ドゥ。スタジオ収録っぽい映像で、顔のアップがしっかりと何度も挿入されている映像なのですが、イレールは笑顔全開。私は出遅れバレエファンなので、限られた映像でしかイレールの踊りを知りませんが、ここまで笑顔全開で踊っているお姿に、ちょっと(いや、かなり)戸惑いました。デ・グリューの純粋さを演じるに当たり、この笑顔は、もちろん必要不可欠なものだと思いますが、一生懸命ピュアに見せようとしているけれど、悲しいかな、そのピュアさを補ってあまりある天性の色気のせいで、私には、どうしてもイレールの踊るデ・グリューが、百戦錬磨の恋の達人に見えてしまい、イレールが笑えば笑うほど胡散臭い男に見えちゃって・・・。(苦笑)これは、私の勝手な思い込みが見せる幻影なのかもしれませんが、イレールは男性優位に恋愛の主導権を握る「ちょいワル」なキャラや、駆け引き上手な男の役のほうが似合う気がします。純粋無垢な男にしては、色気がありすぎるのだもの。このイレールの踊る映像を見ながら、「デ・グリューは、ルグリのほうがハマりそうだな。」なんて不謹慎にも思ちゃいましたから。(もちろん、ルグリの「ちょいワル」にも興味があります。)しかし、役のイメージとイレールのイメージによるギャップは感じたものの、踊り自体は、非常に素敵でした。体から溢れる恋の喜びは、本当にはじけるように溢れていて、観ているこちら側にイヤというほど伝わってきましたし、(ついでに色気も出ちゃうところが、彼の難点ですが。)パ・ド・ドゥも非常に美しかったです。
その他の演目については、当然ですが、やはりカレン・ケインさんを満喫できます。どちらかというとコンテ中心の映像だったような気もしますが、すべてにおいて、非常にカッコイイダンサーでした。ショートカットでオンナオンナしていないサラっとした空気があって、それでいて大人の女性の持つ色気があって、そして、年齢に見合った落ち着きあって、とても魅力的な女性でした。タンゴを踊る姿も、Une Profonde Legereteで、若い男性ダンサー2人を従えて踊る姿もカッコよかったし、「愛の小道」でふわふわのシフォンのドレスを振り回しながら踊る姿も非常に美しくて素敵でした。22歳ではじめて当時の大スターだったヌレエフと踊ったときのお話と映像も非常に興味深かったです。緊張してヌレエフの顔も見れなかったんですって。それでも舞台の上で、そんな大スターヌレエフの王子を夢中にさせるお姫様を演じたのだから、光栄でしょうね。カレン・ケインについて語るヌレエフの姿も微笑ましかったです。
余談ですが、Une Profonde Legerete
(※アクサン省略)を「ユン・プロフォンド・レジェレーテ」と表記してあったのですが、うーん、これには違和感。フランス流なら「ユヌ・プロフォンド・レジェルテ」じゃありません?あと、profondは形容詞なのに、なぜか名詞の前にあり、フランス語の文法的には、これまた語順が妙で意味がよくわかりません。“軽い深淵”それとも“深い軽さ”?
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