メールマガジン JOLLYのお茶の間バレエ鑑賞記-ジョン・パーシヴァル(著)『ヌレエフ』-

スポンサーサイト

カテゴリー:スポンサー広告記事編集

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
│posted at --:--:--│
2006年05月03日(Wed)

ジョン・パーシヴァル(著)『ヌレエフ』

カテゴリー:書籍・雑誌記事編集

「ヌレエフ」芸術と半生(付・ヌレエフの手記)
著者:ジョン・パーシヴァル
編者:小倉重夫・森下洋子
発行者:内藤克洋
発行所:東京音楽者
第一版:1981年5月11日
第二版:1982年3月25日

ヌレエフヌレエフ
ジョン・パーシヴァル 小倉 重夫 森下 洋子


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


かなり古い本です。もともと英国で出版された本の翻訳物で、英国での第一版は、1976年とのこと。表紙や背表紙には、“バレエ界のスーパースター”とクドイぐらいに書いてあるあたりも、時代を感じさせてくれます。ページ数は約300ページで、途中、ヌレエフのモノトーン写真なども挿入されているものの、細かい文字がビッシリ詰まっているので、かなり読み応え満点です。この本が書かれた目的は、やはり当時の言動等で世間の誤解を招きやすかったルドルフ・ヌレエフという人物の本当の姿を知ってもらいたいということに尽きると思います。世間で誤解されているヌレエフのいろんな醜聞について、かなりフォローの入った文章で、微笑ましいぐらいでした。筆者は、おそらく、本当にヌレエフという人物が好きなんでしょうね。筆者は、直接ヌレエフと何度も打ち合わせをし、何度もインタビューをとって書いたとのことですし、ちょっと暑苦しいぐらい、すべてにおいてヌレエフの立場でフォローするということに徹底しているという印象でした。なので、ナタリア・マカロワについての記載なんて、“逆恨み女”扱いで、ボロクソです。(笑)このへんのエピソードや、当時のダンサー事情にあまり詳しくないので、いまいち把握できない部分もあったのですが、そのあたりに詳しい方なら、さらに面白いかもしれません。
 この本、結局、何が一番面白かったかといわれると、ダントツで、後ろに添付されていた36ページほどのヌレエフの手記が一番読み応えがありました。この手記というのは、1961年の亡命後1年を経て、ヌレエフが英国の代表的な週刊誌『オブザーバー』に真相を明かす手記を寄せたものを、訳者である小倉氏がピックアップした抜粋版なのですが、内容は、既にこの本の筆者によって一度説明されている内容の繰り返しなのだけれど、第三者ではなく当事者であるヌレエフ自身が、自分の言葉で書いているだけに、すべてがリアル。幼い頃、どれほど貧しくてひもじい思いをしていたかなど、読めば壮絶。そして文章が論理的で、理路整然としており、主張に説得力がある。いっそのこと、この本全体をヌレエフ自身が自分で書いてくれれば、もっと面白かっただろうに・・・と思ったぐらいです。とにかく、頭のいい人だったんだろうなーと感じさせる文章。しかも、これヌレエフが24歳のときの文章なんですよね。24才にして、亡命という人生における一大決心を終え、ここまで、自分の人生や芸術論をここまで明確に語れるなんて、凄いとしか言いようがありません。いやはや、だらだらと年齢だけを重ねている自分が恥ずかしくなりますね(苦笑)。結局のところ、「集団」を重んじる旧ソ連では、“集団”でいることより“個”を愛する、自己主張の強いヌレエフは浮いてしまったということが亡命の原因のようですが、私も“集団行動”が苦手で、不満は言葉でぶちまける自己主張の強いタイプなので、妙に共感してしまう部分も多かったです。
 以下、ヌレエフの手記の中で印章に残った言葉(本文より引用)。

『作品というものは、生命のあるものである。したがって、初演のときには、その時なりの生命があり、再演のときには、また新たにその時なりの生命が表現されなければならないのだ。つまり作品を生命のあるものとして保持し、そのことによって、そのつど新鮮な感動を観客に与えるために、われわれが作品の生命をたえず育てていかなければならないのである。』

『協同的精神を踏まえながら、なおかつ自分の個性を伸ばすことが意欲的な踊り手には可能だという点にこそ、バレエの一つの魅力があるとおもうのである。』

先日のパリ・オペラ座のヌレエフ版『白鳥の湖』を見た後なので、この言葉に深く感じるものがありました。あと、そんなに大きな写真ではないのだけれど、挿入されているヌレエフの舞台写真も凄かったです。ロシア時代なのか、はたまた西側に亡命してからの舞台なのかは、わからないのですが、「バヤデルカ」を筆頭に、もうビックリするような高さで宙を浮いてる写真がいくつかあって、ビックリしました。普通に立っている人の頭上を飛び越えて、さらに上に脚先があるような感じ。そういえば、ヌレエフの全幕映像って、そんなに見たことがないので(たぶんウィーン国立バレエでのお化粧バッチリの「白鳥の湖」ぐらいしか見てない気がする・・・。)ちょっと映像を漁ってみたくなりました。

市販されているヌレエフ映像いろいろ

不屈のダンサー ヌレエフ不屈のダンサー ヌレエフ
ヌレエフ(ルドルフ)
チャイコフスキー:バレエ《白鳥の湖》チャイコフスキー:バレエ《白鳥の湖》
ランチベリー(ジョン) チャイコフスキー フォンテーン(マーゴ) ヌレエフ(ルドルフ)
GiselleGiselle
adam ,Nureyev , seymour
Romeo & JulietRomeo & Juliet
Paul Czinner ,Nureyev
Don QuixoteDon Quixote
Nureyev ,Helpmann ,Aldous , Austra
Their Compl Bell Tel Hour Appearances 1961-1967Their Compl Bell Tel Hour Appearances 1961-1967
Rudolf Nureyev , Erik Bruhn
Sleeping Beauty BalletSleeping Beauty Ballet
Rudolf Nureyev
Nutcracker (1968)Nutcracker (1968)
Nureyev

この情報がお役に立ったなら、クリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓
banner_04.gif
スレッドテーマ:バレエ ジャンル:学問・文化・芸術
 
│posted at 11:08:29│
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。