メールマガジン JOLLYのお茶の間バレエ鑑賞記-東京バレエ団「ジゼル」(大阪フェスティバルホール)-

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2008年09月19日(Fri)

東京バレエ団「ジゼル」(大阪フェスティバルホール)

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東京バレエ団「ジゼル」
日時:2008年9月19日 18:30開演
会場:大阪フェスティバルホール

【キャスト】
ジゼル:斉藤友佳理
アルブレヒト:マニュエル・ルグリ(1幕)、高岸直樹(2幕)
ヒラリオン:木村和夫
バチルド姫:井脇幸江
公爵:後藤晴雄
ウィルフリード:野辺誠治
ジゼルの母:橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):小出領子、長瀬直義
                    高村順子、中島周
                    佐伯知香、松下裕次
                    吉川留衣、平野玲
ジゼルの友人(パ・ド・シス):  西村真由美、乾友子、高木綾、
                    奈良春夏、田中結子、渡辺理恵

ミルタ:田中結子
ドゥ・ウィリ:西村真由美、乾友子

【指揮】アレクサンドル・ソトニコフ
【演奏】大阪シンフォニカー交響楽団


大阪フェスティバルホールにて鑑賞。お目当ては、当然、客演でアルブレヒトを踊るマニュエル・ルグリ。ルグリのためならお金は惜しまずという精神でS席購入して待ち構えておりました。が・・・・・・。

「ジゼル」の1幕を終え、休憩をはさんで2幕が始まる前に、マニュエル・ルグリが1幕の途中で左足ふくらはぎを負傷し2幕以降踊れないとの場内アナウンスが・・・・。(涙)そして、本来なら2幕の冒頭は百合の花束を抱えて黒いベルベットのマントを羽織って出てくるはずのルグリが、黒いジャージ姿でお詫びのご挨拶。(涙)代役のダンサーは、東京バレエ団の高岸さん。というわけで、2幕は高岸さんによるアルブレヒトでございました。というわけで、鑑賞するに当たって、1幕と2幕で鑑賞のモチベーションが大きく変わっていたことを最初に断っておきます。

斉藤友佳理さんのジゼルというと、情感豊かで感情表現が濃い印象があるのですが、本当に感情が手に取るように伝わってくる痛々しいジゼルでした。まず、1幕の登場シーン。失礼ながら、そこそこの年齢であると思われるのだけれど、舞台上に現れたジゼルは、本当に初々しい可憐な少女の可愛らしさに溢れておられました。アルブレヒトに恋する気持ちや恥じらい、そして真実を知ったときの狂乱。すべて濃いのだけれど、その濃さが物語をドラマチックに作り上げてくれている。そしてルグリのアルブレヒトの高貴さ。ジゼルが憧れ、惹かれていくのがわかるカッコよさ。やはり究極のノーブル&エレガントなんだよなー、ルグリって。戸惑うジゼルに、余裕で上から恋を仕掛けていくかのようなアプローチっぷりも、仕草一つ一つに、恋愛上で優位にいる余裕みたいなものと、そういう駆け引きを超えて、自分の立場も忘れて本気で恋してしまっている一途さが滲み出ていて、本来なら許しがたい男であるはずのアルブレヒトなのに、妙に同情をそそる。恋愛的に優位にいる雰囲気で、余裕は失わないルグリの演じるアルブレヒト。そんなアルブレヒトが、婚約者の登場で戸惑い、余裕が崩れ去っていく様子が、これまた、なんともノーブルでエレガント!取り乱してもエレガント!そんな二人のドラマチックな舞台に酔いしれて、その後に続く2幕を想像して胸を躍らせていただけに、突然のルグリ降板は、本当に残念でした。

言われてみれば、1幕でのルグリは立ち姿や仕草等は美しく、相変わらず素敵なオーラ満点でしたが、踊りだけを見れは、ジャンプ系、とりわけアントルシャが、いつものルグリらしくなかったので、左足ふくらはぎを負傷といわれると、ああ、やっぱり・・・と納得できる部分もあり、もしかしたら1幕に出演することすら厳しい状態の中で無理して出てきてくれていたのかも・・・と思ったり。とにかく、一日も早く、怪我が回復することを祈ります。

そして2幕、高岸さんは高岸さんで素晴らしいし、突然の代役として、とても頑張っておられたのだけれど、高岸さんの踊りはルグリとはまたタイプが全く違う。なので、友佳理さんのジゼルと一緒になると、相乗効果で、メッチャ濃い印象で、1幕ほどジゼルの心情に、スーっと入り込めなくなってしまいました。高岸さんの踊りはパワフルで濃いし、アルブレヒト像も、どちらかというとジゼル優位的な、尽くす系。ルグリのアルブレヒトは、アルブレヒト優位的。高岸さんのアルブレヒトも、それはそれで素晴らしいのだけれど、今日、私が求めていたものは後者の絶対的優位なアルブレヒトであり、踊りの系統も「頑張ってる」のが見えない、究極のさりげなさを求めていただけに、どうしても2幕に気持ちが入り込むことができませんでした。例えるなら、滅多に食べられない高級寿司を感慨深く食べている途中で、急にお皿をさげられて、かわりにカツカレーが出てきたみたいな感じ。カツカレーは、とても美味しい食べ物なんだけれど、御寿司の気分のときに出てくると複雑・・・。しかもめったに食べれない高級寿司だっただけに、なおのこと、やるせない・・・みたいな気分。ダンサーに怪我はつきものだから仕方ないと割り切ろうとしても、残念なものは残念でしかたないわけで・・・・。

ただ、高岸さんをフォローするなら、やはり友佳理さんと長年パートナーを組んでおられるからか、サポート等は、非常にジゼルがエアリーに見えたし(それは、もちろん友佳理さんのテクニックの素晴らしさでもあるのだけれど)、非常に頼もしかったです。ただ、そこでも「頑張ってる感じ」が滲み出ていたのが、私の好むところではなかったというだけのこと。とにかく、アルブレヒトのバリエーション等、サポートも見せ場である踊りも、とても頑張っておられて、ジャンプも回転も、おおっ!って思わず声をあげてしまいそうなぐらいパワフルでした。

あと、個人的に勝手に、ミスター・ヒラリオンの称号を与えたいぐらい気に入っている木村和夫さんのヒラリオン。やっぱり、好きだわ、この人のヒラリオン。何がどう好きなのかわからないけれど。真直ぐな感じと、痛々しさがなんとも言えない。っていうか、もともとヒラリオンというキャラが好きなんだけど。木村和夫さんのヒラリオンって、ジゼルに相手にされない負け犬君っていう雰囲気じゃなくて、なんだか巻き添えを食らった気の毒なイイヤツっぽい感じが好きです。絶命間近のときの踊りが、まさに、そんな感じで「誠実」的で好きなんだわ。

今回、井脇さんはミルタじゃなくて、バチルド姫だったんだけれど、残念ながら、私は井脇さんのバチルド姫は苦手でした。なんとなく意地悪っぽく見えたから。バチルド姫は、もっと穏やかでおっとりした雰囲気のほうが好き。

2幕の群舞は、幻想的で美しかったです。でも、あの群舞の途中で会場から拍手が沸くのが、たまらなく興ざめ。嫌いなんだよね、あの拍手。拍手って幕が終わってから、バリエーションが終わってからだけじゃダメなの?どうも、気持ちの流れを中段される感じがしてイヤなんだよね。フェッテの手拍子然り。

ま、そんなこんなで、結果的には不完全燃焼だった「ジゼル」公演。
とりあえず、最後に、改めて、ルグリの怪我の回復を心からお祈りいたします。

スレッドテーマ:バレエ ジャンル:学問・文化・芸術
 
│posted at 23:05:29│
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